平井陽一朗(BCGデジタルベンチャーズ マネージング・ディレクター&パートナー ジャパンヘッド)
平井陽一朗(BCGデジタルベンチャーズ マネージング・ディレクター&パートナー ジャパンヘッド)

これまで大企業の変革を妨げる5つの要因について述べてきた。ここからは、当連載の表題でもある「企業変革のレシピ(処方箋)」に視点を移し、私がこれまでさまざまな企業変革を支援してきた経験をもとに、経営を担うトップ層や、それに準ずるリーダー層の方にとって重要だと考える4点に集約して述べていきたい。

企業変革 4つの処方箋
処方箋1.スピード感をもって「勝負する土俵」を見極める
処方箋2.必要な組織能力を見極め、獲得する
処方箋3.獲得した人材が能力を発揮できる土壌をつくる
処方箋4.ぶれずに、やり続ける

 今回は、一つ目の処方箋について詳しく紹介する。

処方箋1:スピード感をもって「勝負する土俵」を見極める

 大企業との関わりの中で、経営層の方々が「デジタルトランスフォーメーション(DX)」「デジタライゼーション」「デジタルイノベーション」といった言葉を口にする場面に数多く立ち会ってきた。個人的には、バズワードのように使われているとも感じる。これらのテーマに関心が高いのは良いことだが、では自社はどこでどう戦うのか、ということをはっきりとつかめないでいるように見受けられる。そして「確実に成功できる領域」を見極めようとするあまり、社内で検討に検討を重ね、なかなか実際のアクションに結びつかない状況に、歯がゆさを感じることが多々ある。