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J1の川崎フロンターレが異次元の強さを発揮しながら、新型コロナウイルス禍に見舞われたJ1戦線を独走で駆け抜けようとしている。すでに同一シーズンのJ1記録を更新する11連勝を継続中で、史上最速優勝や年間最多勝ち点や同勝利数など、あらゆる記録を塗り替えて、来月中旬に優勝という美酒に酔う可能性が極めて高い。長期中断と過密日程を余儀なくされたシーズンで、Jリーグ史上でナンバーワンの呼び声すら出てきた最強軍団が生み出された背景を探った。(ノンフィクションライター 藤江直人)

異次元の強さを維持する川崎フロンターレ

 異次元に映る強さを発揮しながら、J1戦線の首位を独走している川崎フロンターレの先発メンバーを当てるのは難しい。GKと4人で組むDFラインの顔ぶれがほとんど変わらない一方で、ともに3人ずつが配置されるMFとFWの組み合わせが極めて多岐にわたっているからだ。

 24試合を終えた段階で、MFとFWの組み合わせは実に18通りを数えている。その中で清水エスパルスをホームの等々力陸上競技場に迎えた、8月29日の明治安田生命J1リーグ第13節以降で、フロンターレを率いる鬼木達監督はすべての試合で初めてとなる組み合わせを選択している。

 そして、大量5ゴールを奪って快勝したエスパルス戦を皮切りに、直近となる今月18日の名古屋グランパス戦までの11試合すべてで勝利。同じシーズンにおける連勝のJ1記録を更新した。従来の記録である10連勝を達成したチームも、実は今シーズン前半戦のフロンターレだった。

「こういう記録に挑戦できるのも、自分たちがここまで勝ってきたからだと思っています。ただ、同じシーズンで10連勝以上を2度達成するチームは、そうそう出てこないんじゃないかな、と」

 3-0で快勝したグランパス戦で直接FKから2点目を、左コーナーキックから3点目をアシストしたMF中村憲剛が、今シーズンのフロンターレを誇らしげに位置づけた。J2を戦っていた2003シーズンに中央大学から加入し、18年目を迎えている大黒柱はこんな言葉もつけ加えている。

「自分を含めたすべての選手が、試合に出たときには勝ちたい、という高いモチベーションを持っている。うまくプレーできなければ、次の試合ではベンチ入りメンバーから外れることもある。それほどいい選手がそろっている。チームメートですけどお互いに争う、というところでは、僕がこれまで所属してきたシーズンの中でおそらく一番レベルが高いんじゃないかと思っています」(中村)