生活保護率に見る
4つの「新特別区」の格差

 世帯保護率で見ると、保護率が最も高い新中央区(約11.7%)、次いで多い新天王寺区(約9.3%)が目立つ。10世帯のうち1世帯は、生活保護のもとで暮らしていることになる。この種のデータを見慣れている筆者ではあるが、「は? マジ?」と計算を何回も確認してしまう。しかし確認するたびに、「それはそうだ」と納得する。

 多くの場合、保護率の高さは単身化率とリンクしている。貧困は単身化につながりやすく、また、単身化は貧困につながりやすいからである。その地域の単身化率がもともと高く、したがって人口と世帯数の差が少なく、なおかつ生活保護を必要とする単身者が多い場合、世帯保護率は高くなる。

 たとえば大阪市では、西成区の人員保護率は20%を超える状況が続いており、全国でも突出している。この背景は、仕事を求めて全国から単身で「釜ヶ崎」にやってきた人々が、高齢化して働けなくなり、自然の成り行きとして生活保護を必要としたことにある。世帯保護率を計算すると30%を超える。

 新中央区には西成区が含まれるため、保護率が高くなるのは自然の成り行きだ。西成区以外にも、保護率の比較的高い浪速区(人員、約7.3%)と住吉区(同、約6.2%)が含まれている。

 新天王寺区には、突出して保護率の高い区は含まれない。しかしながら、天王寺区(人員、約1.9%)と阿倍野区(同、約2.6%)を除くと、残る3つの区、平野区(同、約6.6%)・生野区(同、約7.0%)・東住吉区(同、約6.4%)の保護率が高いため、全体として保護率は高くなる。人口で見ると、新天王寺区の約30%を天王寺区と阿倍野区、約70%を平野区・生野区・東住吉区が占めることとなる。

 4つの特別区の間の格差、4つの特別区に含まれる現在の区それぞれの格差は、大阪都構想のもとで、どのように取り扱われるのだろうか。大阪都構想を推進する人々が、「貧しくても幸せに暮らせる大阪都」を目指しているとは思えない。