そうした中で、友達と遊べず時間を持て余している子どもの相手をしたり、家事などを一人で行ったりすることに、Aさんは強いストレスを感じていたようです。そうしたストレスを解消するために、Aさんがハマってしまったのが、「食べること」でした。やがて、手っ取り早く食品を手に入れるために、コンビニを頻繁に利用するようになっていきました。割安なスーパーは混雑しているため、利用する気にもなれなかったといいます。

 食べたいものを食べたいだけ購入する。支払いは、夫が所有するクレジットカードの家族カードを使いました。そうした生活を3カ月ほど続けていくうちに徐々に過食傾向となり、体つきもふっくらから肥満気味になってしまいました。

 すると、洋服のサイズが合わなくなってきたので、次は洋服の爆買いです。ショッピングサイトで、ポチポチとクリックしているうちに、支払い金額は10万円を優に超え、20万円使った月もありました。このときも支払いは全て、家族カードです。

 家族カードの支払いは、毎月の給料が振り込まれ、夫婦の貯金にも使っている口座から引き落としていました。しかし、コロナ禍のテレワークで通勤費や残業代などが出ず、収入は減っている状況。多額の支払いをその月の給料で補うことができず、貯金がぐんぐん減っていきました。

 Aさん1人の飲食代と洋服代だけで、3カ月ほどで約60万円を使ってしまったといいます。加えて、夫のホテル代も臨時でかかりました。結果、貯金は100万円近く減ってしまったのです。夫は年収1300万円と高収入のようですが、さすがにこのペースでは赤字となります。

家計を相手に任せて知らんぷり
「隠れ夫婦別財布」はトラブルの元

 これだけ支出に大きな変化が生じていて、夫は気付かないものなのかと不思議に思いますが、夫は、そんな妻の抱えているストレスを理解できておらず、そもそも妻の行動の変化に無関心だったようです。かなり太ってしまうほどの食費の増加や、大量の洋服代の出どころについて、なんら疑問に思わなかったのです。

 クレジットカードは利用するとメールでお知らせがいくことが多いのですが、Aさんの夫はその通知にも目を通しておらず、利用額を知りませんでした。アプリで見られる利用明細も、見ていない様子。生活自体は何不自由なくできていますから、夫婦の大切なお金がこのような事態になっていることに全く気が付いていないようです。