ダイヤモンドは地球上で最も硬い物質だ。米貴金属・宝飾品大手ティファニーの経営陣が強固な意志を見せても不思議はない。米国を代表するエンゲージリングブランドのティファニーとその求婚者であるフランスの高級ブランドグループ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンは29日、もめていた互いの関係について、当初よりも安い買収額で合意に至ったことを明らかにした。「バランスの取れた合意」により両社の面目が保たれた形だが、実際のところ、ティファニー側はほとんど妥協していない。フランスの富豪、ベルナール・アルノー氏率いる高級ブランドコングロマリットのLVMHは、ティファニー取得に当たり、当初合意していた1株当たり135ドルより少ない131.50ドルを支払う。両社は過去2週間、買収価格について活発な議論を続け、1月に予定されていた法廷での対立を回避するとともに、株主の先行き不透明感を解消した。