伊藤容疑者はそのまま走り去り、事故を目撃したタクシー運転手の男性が百数十メートルにわたって追跡。男性に停車を求められ、現場に戻るよう諭されて応じたという。

 伊藤容疑者は原宿署で聴取を受けた後、留置のため東京湾岸署に移送。30日午前、送検されたが、東京地検が勾留請求しなかったため同日夜、釈放された。警視庁は任意で捜査を続けることになる。

 全国紙社会部デスクによると、伊藤容疑者の車は左側フロント部分が破損しており、伊藤容疑者の前方不注意が原因だった可能性があるという。

 伊藤容疑者は東京都出身。モデルから2014年のドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」で俳優としてデビューし、18年にドラマ「今日から俺は!!」で注目されるようになった。

 NHK連続ドラマ小説「スカーレット」などにも出演。映画「コーヒーが冷めないうちに」で昨年の日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、30日公開の映画「とんかつDJアゲ太郎」、11月6日公開の映画「十二単衣を着た悪魔」に出演するなど、若手の注目株だ。

免許は取り消し、起訴の可能性も濃厚

 今後予想される処分だが、一般的に知られる通り、ひき逃げは行政処分の点数として35点が科されるので、それだけで運転免許は一発で取り消しになる。

 刑事処分としては道交法117条により、10年以下の懲役または100万円以下の罰金となる。たとえ相手に全面的な過失があったとしても、5年以下または50万円以下の罰金が科される。

 また道交法違反に加え、過失運転致傷罪も適用され7年以下の懲役または100万円以下の罰金となる。基本的にこの2つは同時に起こるため併合罪となり、15年以下の懲役が科されることになる。

 一般論だが、行政処分はどんなに手を尽くしても結果が変わることはないものの、刑事処分は「示談」が成立するか否かで行方は大きく変わる。

 被害者側が納得する形で示談が成立し「重い処分を求めない」などとする上申書を提出してもらうことができれば、不起訴(起訴猶予)となる可能性もゼロではない。

 一方で示談が成立し上申書の提出はあっても、検察が「悪質」と判断すれば略式起訴、簡裁が略式命令を出し罰金刑という流れになる。「極めて悪質」と判断された場合は公判請求(起訴)されるだろう。

 示談交渉がこじれて成立しなかった場合、不起訴の可能性はまずない。その場合は略式起訴・命令による罰金刑、もしくは起訴が不可避だ。