新車販売ディーラーたちのし烈な競争、新しい販売形態も

 新車販売ディーラーは中国で「4S店」と呼ばれる。「4S」とは「Sales(販売)」、「Spare Parts(部品販売)」、「Service(アフターサービス)」、「Survey(情報提供)」といったサービスを指すものだ。こうしたフルサービスを提供する4S店は単一ブランドの販売を引き受けるので、高級感、信頼感があるとみられている。

 実際、高級車の4S店に行くと、まるで豪華な接待施設のような印象を受ける。車をメンテナンスまたは修理に出したオーナーは修理が終わるまで4S店内で待っていてもいい。その間はマッサージや飲食のサービスを無料で受けられる。時には投資講座や健康管理セミナーなどを聞くこともできる。各4S店も競合店に大事な顧客を奪われないように、創意工夫を競うかのような企画やサービスを考案し、実施している。高所得者が集まっている4S店は、もっとも稼げるビジネスだと長年、見られてきた。そのためか、4S店経営は対新規希望者が後を絶たない盛況だ。

 しかし、近年、車の販売事情が厳しくなるに従って、4S店をめぐるビジネス環境もかなりし烈なものになってきた。

 2005年に、中国では「自動車ブランド販売管理実施弁法」という規定が公布された。それによって、自動車ブランドのライセンス授与と販売の並立体制が確立され、各自動車メーカーはブランドごとに4S店を中心とする自動車流通ネットワークを構築した。この流通ネットワークは、これまでの中国自動車市場の発展を後押しする役割を果たしてきた。

 だが、中国自動車市場の急速な成長に伴い、自動車の年間生産・販売台数は2800万台に達し、単一のブランドのライセンス授与に基づく販売体制では市場ニーズに対応できなくなったと中国政府は判断した。

 2017年4月、商務省は新しい規定「自動車販売管理弁法」を発表し、同年7月1日から施行されると公布した。それ以降、自動車販売はそれまでのように4S店という単一のルートにとどまらず、自動車スーパー、自動車専門販売場、自動車通信販売といった新しい形態が登場し、インターネット系企業まで自動車販売分野に参入するようになったのだ。