4.行動デザイン力――本の内容を現実世界に落とし込める
4つ目の「行動デザイン力」とは、本で読んだ内容を実践するためのアクションプランを立てる能力です。どんなアクションを、いつまでに、どの程度のレベルにしようかという設計する力で、本に書かれたノウハウを現実世界に落とし込みやすくします。
本に書かれた知識を使ったり、スキルを実践したりしないことには、現実世界で変化を起こすことはできません。
なお、ここでいう「行動」とは、書評を書くことや、本の内容をブログにまとめるといったことではありません。書評家として、あるいはブロガーとして人に本を紹介する仕事をされているのであればそれでかまいません。
企業にお勤めのマネジャーが「1on1ミーティング」のノウハウ書を読んだら、部下と1on1のミーティングをやることが「行動」です。「行動」とは、読んだ本の種類や問題意識で異なります。理系読書の文脈においては、共通の決まった「行動」はありません。
行動に移そうと考えるときは、アクションプランを考えるのが理系読書の特徴です。
5.評価重視力――行動の結果を適切に評価できる
最後の5つ目の力は「評価重視力」です。これは、問題解決に向けて行動に移した結果を適切に評価する能力です。現実世界で行動に移したら、必ず何らかの評価を得ることができます。
評価は、他者から受けるものに限りません。自分自身で客観性の高い評価を行うこともできます。
文章スキルが向上しているかどうかを自分で評価する場合、自分が身につけたいレベルの文書と、自分の文章を比較すればいいのです。その2つの文章の差異を見つけていくことで精度の高い評価ができます。
こういった評価を行わないと、せっかく行動に移してもやりっぱなしになってしまいます。時間とお金をかけて本を読んでも、変化を感じとりにくくなります。本を読んでいるのに、いつまでも変化ができないのです。
それを脱するために、常に「行動」と「評価」をセットにした読書スタイルを身につけるようにしましょう。
理系読書を実践していると、評価重視力が格段に高まります。結果、自分にとって最も必要な能力が速やかに身につき、その後の改善策や次に読むべき本が明確になるのです。
このような読書サイクルが醸成していき、読書を通してさらなる力が磨かれていくのが、理系読書です。理系読書を実践して、ぜひこの5つの力を高めてください。