無料電話相談「FRESCヘルプデスク」を開設
開所2カ月後の9月、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で困りごとを抱える在留外国人のために、FRESCは「FRESCヘルプデスク」を開設した。平日の9時から17時までの無料電話相談で、14言語に対応しているものだ。
「いま(編集部注:10月中旬時点)は、1日30件ほどの電話があります。相談内容としては、新型コロナの影響により、帰国できない場合の在留資格の手続きや働けなくなったことによる休業手当の話など、さまざまです。スタートしてまもなく、特定の国の方の相談件数が一時的に増えたことがありました。その国の方々の何らかのコミュニティーの中で、例えばSNSなどで、『FRESCヘルプデスク』の存在と『この番号の電話でいろいろな相談ができるよ』といった情報が広まったのではないか、と推測しています。私たちにとってはうれしい展開です。相談窓口の存在をできるだけ多くの人に知っていただき、困りごとを解消してもらいたいと考えています」
現在、日本には290万人強の外国人がそれぞれの在留資格を持って暮らしている。新型コロナウイルス感染症の拡大が、そうした在留外国人の就労者や留学生に困難な状況をもたらしているようだが…。
「当センターの来訪者やヘルプデスクへの電話相談では、休業手当や在留手続きの相談が多いです。それがそのまま新型コロナ感染症の拡大によるものとは断言できませんが、『母国に帰国できないので、不法滞在にならないように在留資格を変更するにはどうすればいい?』『再入国するときにはどうすればいい?』『休業手当が支払われていない』などといった相談は、今回の新型コロナの影響が少なからずあるのではないかと考えられます」
“コロナ禍における雇用”は企業にとっても大きな問題だ。「外国人在留支援センター」という名称から、FRESCは在留外国人のためだけの施設と思われがちだが、その根底には “多文化共生社会の実現”があり、外国人を雇用している、あるいは、これから雇用していく企業の相談も受け付けている。
「人手不足解消や海外展開のために外国人材を雇いたいという企業の方もいれば、すでに雇っていらっしゃる方で、『こうしたケースはトラブルを生むのか?』『転職希望の外国人に会ったが、○○の在留資格で雇っても大丈夫か?』『外国人材の育成・定着はどのように行えばよいのか?』など、いろいろな相談があり、ジェトロのほか、ハローワーク、東京労働局外国人特別相談・支援室、東京入管、法テラスも案件によって対応しています。ジェトロやハローワークは企業に出向いて説明したりしています。
そもそも、在留資格『特定技能』が設けられる(編集部注: 2019年4月1日~改正入管法施行)など、日本の社会は、専門的技術を持つ外国人材を必要としていますので、企業側のニーズに沿うかたちで、FRESCがお役に立てる機会も増えていくと思います」