フランス、パリのマルソー通りにあるドラッグストア前(2020/11/05)
再びコロナの猛威に揺れる欧州経済。景気の先行きに暗雲が垂れ込めている Photo:Edward Berthelot/gettyimages

欧州各国で新型コロナウイルスの感染が再び急拡大している。多くの国で都市封鎖が再開されている。20年4~6月期を底に回復に向かうにみえた景気は、10~12月期に再びマイナス成長に陥りそうだ。現時点では、都市封鎖はクリスマス前までの予定だが、年明けにまで解除がずれ込めば21年1~3月期もマイナス成長の可能性がある。(第一生命経済研究所 主席エコノミスト 田中 理)

欧州各国で都市封鎖再開
感染者数が春のピークを上回る

 新型コロナウイルスの感染第2波が欧州を襲っている。欧州各国の1日当たりの新規感染者数は、フランスで6万人、英国とイタリアで3万人、スペインとドイツで2万人を超え、春のピーク時を大きく上回っている(下図参照)。

 人口当たりの新規感染者数は、ベルギー、チェコ、ルクセンブルク、オランダ、スロベニアが多い。当初は地域や対象を限定した行動制限の強化で感染拡大を封じ込めようとしたが、ここ1カ月余りの感染者の増加ペースが早く、一部の国や地域で医療資源が再び逼迫しつつあり、多くの国が都市封鎖(ロックダウン)の再開に追い込まれている。

 イタリアやスペインを医療崩壊の瀬戸際に追い遣った春の第1波をどうにか封じ込めた後、夏場のバカンスシーズンを前に欧州各国は厳しい行動制限の緩和と域内の渡航制限の解除を急いだ。

 都市封鎖による経済的な打撃は甚大で、3~5月にかけて各国の経済活動は全面的に停止した。町から人や車が消え、生活必需品を除く店舗が閉鎖され、従業員の安全確保や託児施設の閉鎖もあり、多くの工場が操業停止に追い込まれた。