介護報酬の改定を来春に控えるなか、介護事業者の倒産が過去最悪ペースで推移している。倒産急増の背景には、ビジネスチャンスをつかもうと参入した事業者の淘汰(とうた)と、ヘルパーなど介護人材の人手不足がある。さらにコロナ禍で「3密」回避が浸透し、デイサービスなどでは想定外の利用手控えも起きている。(東京商工リサーチ情報部 後藤賢治)

倒産と休廃業・解散は
ともに過去最多の見込み

介護事業者の倒産が過去最悪ペースで推移(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 過去の介護報酬の改定では、2015年度に基本報酬が2.27%切り下げられ、2015年は小規模事業者を中心に「老人福祉・介護事業」の倒産は76件(前年比40.7%増)と急増した。その後も流れは変わらず、2016年には108件(同42.1%増)、さらに2017年は介護保険法が施行された2000年以降で最多の111件(同2.7%増)に達した。

 2018年度の介護報酬改定で0.54%引き上げられたが、ヘルパー採用が進まない事業所などの倒産は止まらなかった。2019年も2017年と並ぶ最多の111件(同4.7%増)と高止まりしている。

 2021年度の介護報酬の改定を目前に、2020年1-10月の「老人福祉・介護事業」倒産は、すでに104件(前年同期比10.6%増)に達した。このペースでいくと年間最多の111件(2017年と2019年)を上回ることがほぼ確実だ。