顧客からの評価を変えたいなら、アプローチを変えよう

 次にやるべきは、過去の取り組み方でうまくいかなかった相手に対して、これまでとは全く違うやり方でアプローチすることだ。私たち営業がビジネス環境を劇的に変えたいなら、考え方や取り組みをまず劇的に変える必要がある。

 例えば、多忙な相手との商談時間は、アポイントメントで1時間もらえたとしても45分くらいで切り上げ、相手が休憩できる時間を取って差し上げ、その代わり商談そのものはポイントを押さえ短時間で済ますようにする。商談相手には「おっ、彼は随分気が利くようになってきたな。最初に比べ、印象が良くなってきた」と思ってもらう、といった営業のやり方に変えることも有効かもしれない。

 要は、もし以前の振る舞いが気に入らない顧客や見込み客がいたら、その振る舞いを一切やらないようにしなければ、結果が出ないということだ。結果が出ない根本原因を取り除くことから始めよう。

 強引なクロージングをしてしまい相手に嫌われたのなら、今後は一切クロージングせずに、自社および自社製品・サービスが提供する価値をただ伝えることだけを、商談相手からの評価が変わるまで続けてみたら良い。それくらいの期間、従来やっていなかった活動を徹底するのだ。

 その上で、私たち営業が説明する価値を相手が理解してくれたら、相手の方がだんだんその製品・サービスを欲しくなってくるかもしれない。相手に「それが欲しい!」と言わせることも営業としての腕の見せどころの一つだ。クロージングして売り上げを上げるよりも、相手が自発的に欲しいと思った製品・サービスは、相手が納得して気に入って購入しているから、その製品・サービスを長く愛してくれるかもしれないし、今後も競合品・競合他社よりも自分の方を選んでくれやすくなるかもしれない。これが中国古典『孫子』のいう「戦わずして勝つ」ということであり、自分自身のコミュニケーションのセンスをフル稼働させる「人を見るスキル」だ。

 だから、何らかの原因で相手に嫌われてしまったら、今後そのような振る舞いは一切せず、商談相手が心地よいと感じる商談時間を作るより他に、結果を出す方法はない。新規顧客がいくらでもあるという人でも、何らかの原因で相手に嫌われやすいならいずれ結果は出にくくなっていったり、将来後輩や部下を効果的に指導できないから、自身の昇進昇格の機会を乏しくしてしまう可能性すらある。

 取り組み方に変化がなければ、得られる結果も変わらない。過去と同じ活動の延長線上には、過去と同様の未来しか待っていない。現状が暗いなら、これまでにやってきた活動の先には、暗い未来しかない。現状を劇的に変え、明るい未来を手に入れたいなら、今なすべきことを劇的に変える他にないのだ。