そのような意味では、こんな面倒臭い人につきまとわれながら、「トランプが大統領じゃなくなれば、すべてうまくいくはずだ」と期待値だけ勝手に上がっている、バイデン氏の方が厳しい状況に追い込まれている。

 どこかの国の野党に見られる「政権批判をするときはやたらと威勢がいいが、いざ自分たちが政権を取るとグダグダ」というのは、アメリカの民主党も変わらない。「崇高な理想や国民の統合を呼びかけたわりに、8年間でこれと言った実績ないよね」と批判されたオバマ政権の副大統領を務めていたバイデン氏も、オバマ前大統領と同じ轍を踏んでしまう恐れがあるのだ。

両者ドローの大統領選の中で
疑いようのない「惨めな敗者」

 そんな「両者ドロー」のような今回のアメリカ大統領選の中で、1人だけ疑いようのない「惨めな敗者」がいる。それは他でもないマスコミだ。

 とにもかくにも、トランプ氏の再選を阻むことが「ジャーナリズムの使命」だと信じて、なりふり構わず偏向報道を行い、どうにか目標を達成することはできたものの、結果として「もうこんな偏った情報を見ても意味ないじゃん」とマスコミ不信を広げる、という完全な「自滅」をしているからだ。

 繰り返し報道されているように、今回の大統領選の投票率はこの100年で過去最高になる可能性もあるという。国民の関心が高かったのだ。しかし、こんなに盛り上がっているにもかかわらず、選挙報道番組はそっぽを向かれている。

 ニールセン社の調査によると、大統領選当夜の選挙報道番組の視聴者は、21ネットワークで5690万人。前回16年の大統領選挙時よりも20%減少したというのだ。選挙は盛り上がっているのに、なぜリアルタイムに情勢を伝える選挙報道を見ないのか。

 答えは簡単で、「そんなもの見ても意味がない」と考えている人が増えているからだ。

 もはやさまざまなメディアで取り沙汰されているので、改めて詳しい説明をする必要はないが、アメリカでは「偏向報道」が当たり前になっている。たとえば「トランプ憎し」のCNNでは、トランプのやることなすことをキャスターたちがコケにする。「捕まっていないだけの犯罪者」とばかりのディスり具合なのだ。