銀座四丁目の交差点街角景気が急回復している中、政府の追加経済対策も始まる。日本景気は「復活」の狼煙を上げるのか(写真はイメージです) Photo:Diamond

街角景気から見た
日本景気の現状

 日本景気は、政府・自治体による外出自粛要請などが解除・緩和されたことで落ち込みに歯止めがかかり、回復に転じていたが、秋にかけても回復の動きが続いていることが確認されている。

 内閣府の景気動向指数のCI一致指数は、景気と連動する代表的な経済指標を合成したものだが、同指数は5月をボトムに6月以降、9月まで4カ月連続の上昇となっている。内閣府は同指数をもとに基調判断を毎月示しているが、判断は「下げ止まり」となっている。

 また、内閣府の景気ウォッチャー調査では、いわゆる街角景気を示す景気の現状判断DIの上昇が10月も続いており、10月のDIは14年1月以来、6年9カ月ぶりの高さとなっている(図1上段参照)。同DIは、景気ウォッチャーと呼ばれる回答者に、3カ月前に比べ景気が「良くなっている」「悪くなっている」といった方向性を尋ねた結果を示したもので、景気変動のスピードを示すものといえる。

 景気ウォッチャー調査では、景気が「良い」「悪い」という水準を尋ねる調査を実施しており、この結果は景気の現状水準判断DIとして示されている。実は同DIも上昇が続いており、10月はコロナ禍前の1月を上回っている(図1下段参照)。

 景気の回復ピッチは、大幅に落ち込んだ後に速くなることは十分に考えられることだが、景気ウォッチャー調査をみると、街角景気は急ピッチでの回復が続き、コロナ禍による落ち込みを取り戻し、コロナ禍前の水準をすでに超えたことになる。