蔡英文総統は
国民に冷静さ訴え

 Newsweek誌は大統領選挙の当確270議席獲得の一報が出る前の11月5日、『台湾総統が米大統領選で異例の声明「トランプ敗北でも冷静に」(Taiwan President Urges Calm As Pro-Trump Citizens Panic Amid Biden Vote Surge)』と報道した。

 記事は台湾の動揺を伝えるとともに、蔡英文総統の談話として「台湾は米政府、上下両院、二大政党、さらにアメリカのシンクタンクや市民団体と常に緊密な関係を維持している」と紹介した。

 また、蔡英文総統は自らのSNSでも「台湾海峡の情勢注視と国内政経環境の維持」「アメリカの民意は台湾支持にあると信じている」など、冷静にアメリカ大統領選挙を見守るように訴えている。

蔡英文総統蔡英文総統のフェイスブックより アメリカ大統領選挙に関してのメッセージ
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 前出の台湾基進党の陳奕齊党首は11月7日夜、筆者とのWEBインタビューで次のように語った。

「台湾やアメリカのマスコミの多くがバイデン優勢を唱えていても、私はトランプの再選を信じていた。候補者は熱狂に近いブームを作らなくては、有権者に投票行動をさせることはできない。バイデン候補は、コロナ禍で活動を自粛しその熱量を作れたとは思えない。一方自らコロナに感染しても支援者の熱量を保ち続けたのはトランプ大統領側だった。トランプが敗北した今、私は『亡国感』を超え『亡球感(地球・世界がなくなってしまう感じ)』に襲われている。後はアメリカの正義と理性に期待するしかない」と語った。

 台湾在住の日本の友人は、「トランプが敗北を認めるべきかどうかについて、多くの台湾人は黙して語らない。だが、逆にそれが事の重大さを感じさせる」と話す。軽々に評論などしてはいられない。台湾の命運の一端がアメリカ大統領選挙の最終決定にかかっているのだ。台湾人の中では、いまだアメリカ大統領選挙は終わっていないようだ。

 いずれにせよ、台湾人は国際政治への関心や危機感が、日本人よりもはるかに高く、いろいろと学ばされる。そして、こうした意識の高さこそが、台湾へのコロナ流入を防いだ要因のひとつでもあったといえるのではないだろうか。