コロナ禍の中小企業経営者に必要な「小さくなる能力」とは何か
コロナ禍の中小企業経営者が意識すべきこととは? Photo:PIXTA

コロナ禍で問われる
経営者の「臨機応変」な判断

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表
小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 中小企業経営者の中には今、コロナ禍という外部環境の激変に合わせるために難しいかじ取りを迫られている方も少なくありません。

 経営には、いつもお話しするように、「企業の方向付け」「資源の最適配分」「人を動かす」の3つのポイントがあり、これらを短期と長期のバランスを取りながら行っていくことが重要です。その原理原則は外部環境がどう変化しても変わりませんが、今は特に短期を重視したかじ取りが求められており、私が関わっている会社の経営者もコロナの影響を乗り切ることを最優先にした経営に徹しています。

 具体的な例を挙げましょう。国は瀕死(ひんし)の状態の観光産業を支援するため、「Go To トラベルキャンペーン」を実施しています。旅行代金の35%に当たる部分は旅行商品の割引、15%に当たる部分は地域共通クーポンを発行することで最大50%の補助を行い、観光客を呼び戻すことを狙いとしています。

 私は今年10月にあった1週間ほどの出張で、その効果を目の当たりにしました。京都や大阪、福岡などを移動したのですが、驚いたのはよく泊まる京都駅前のホテルの混雑具合でした。このホテルには8月にも宿泊しましたが、そのときの朝食会場の利用者は私を含めて2~3組しかおらず、閑古鳥が鳴いた状態でした。

 ところが10月に訪れた際には、Go To トラベルキャンペーン効果で、朝6時50分の段階でほぼ満席。京都のみならず、大阪のホテルも同じような状況でした。

 違いは利用客の多寡だけではありません。京都も大阪も宿泊代金が8月時より高く設定されていたのです。補助が受けられるのだから、値上げをしてもお客さまは来るだろうというホテル経営者の判断です。