「片づけ問題の原点はどこにある?どう解決を図るのが良い?」を探るとき、「家の中で、家族それぞれの“存在感”がどう表れているか」は大事な着目点。そこを丁寧に見ていくと、「片づける側の不満」に埋もれがちな「散らかす側の言い分」も浮き彫りになってくるからです。

 今回は家の中に、良くも悪くもさまざまな形で表れる「お父さん」の存在感を、私がどのように感じ取っているのかについて、3つのポイントから解説します。

お父さんの存在感(1)
「置いてあるモノの量」

 どういった場所に、どのくらいお父さんの所有物があるのかを見ます。お父さんの持ち物だけに着目するのではなく、「家族全体のバランス」で見ていくのがポイントです。

例)リビングが母子のもので溢れ、お父さんの持ち物がほぼ存在しない
特にお子様がまだ小さいご家庭で拝見することの多い、こういうお部屋。原因として、2つの可能性が考えられます。1つは、リビング滞在時間の差によるもの。もう1つは、心地よさの感覚差によるものです。

 仕事で帰宅が遅かったりして、リビング滞在時間が短いお父さんの持ち物は増えず、リビングで過ごす時間の長い母子のものは自然に増えてしまう…というケースもあれば、“できるだけモノを増やしたくない夫”と、“つい増やしちゃう妻”が日々ケンカを繰り返しているようなケースもあります。

 リビングは、家族全員のくつろぎエリア。「自分の場所とは思えない」状況は気の毒に思います。家族ごとのアイテム量のバランスを意識して、お互いの居心地に配慮してあげたいものです。

例)お父さんのアイテムが、家のあちこちに山積している
上記とは逆のパターン。リビングには、本や雑誌、お父さん宛ての郵便物が山をなし、テレビまわりにはゲーム機と大量のソフト。納戸には、古いCDやよく分からない雑貨が詰まった箱がいくつも放置されている、といったケースです。

 お父さん自身は、周りが思うほど「自分の持ち物が場所を占領している」とは感じておらず、片づけるよう頼んでものらりくらりとはぐらかしたり、捨てようとすると腹を立てたりします。そのギャップのせいで、家族に嫌がられてしまうのですが…。

 モノが多いのに本人が満足していないのだとしたら、セルフスペースに問題ありの可能性大。視点を“モノ”から“場所”へ移して探っていきます。