研究開発、建築家、デザイナー
弁護士、医師などは代替不能

 次に、ホワイトカラーで代替されにくい職種を明らかにしていく。この中で特に代替されにくい職種をあげていくと、研究開発(電気・電子・機械)、建築家、ソフトウェア関連技術職、エンジニア、広告出版マスコミ専門職、美術家・デザイナーなどとなった。

 これらの職種を一言で表せば、新奇性が求められる職種とでもいえるだろうか。彼らが前例にとらわれず独自の発想で仕事をしなければ、新しい価値ある財・サービスが開発され、世の中に普及していくことはない。そうした仕事はいくら技術が進展したとしても機械による代替は不可能なのだ。

 これらの職種には劣るが、弁護士・弁理士・司法書士、医師・歯科医師、教員・塾講師など各種専門職も同様に非定型的な仕事が多い職種となった。同職種の人たちは上記のような新奇性が求められる職種と比較すればパターンが決まった案件も多いとみられるが、顧客が直面する多様な状況に対応して、その時々に高度な判断が求められることが多いからだと考えられる。

保育士、看護師・保健師
機械保守、建設作業者なども代替ができない

 最後にブルーカラーで代替されにくい職種をみていこう。保育士、看護師・保健師、機械保守・メンテナンス、建設作業者、家政婦などがこの区分に入った。

 まず、保育士や看護師・保健師は専門的な知見を持ちながらも、多様な人への個別の対応が求められる。通り一辺倒の対応では質の高いサービスにならない職種であるから、これらの職種も機械による代替は期待しにくい。

 機械保守・メンテナンスの仕事は、機械にイレギュラーな事態が起こった時に対応する仕事である。技術革新が進み、機械が多くの仕事を果たすようになる未来において、これらの仕事の需要はますます高まるはずだ。

 建設作業者や家政婦も代替されにくい職種となった。一つの構造物を建設するにあたっては実に様々な職人が仕事に当たり、一人ひとりの職人が行う仕事も複雑である。家政婦の仕事もその時々において顧客の要望は異なると考えられ、機械化は難しそうだ。