郵便配達、ドライバー
清掃、配達・倉庫作業などが代替可能

 まずはブルーカラーで代替されやすい職種からみていくと、郵便配達・電話交換、ドライバー、清掃、配達・倉庫作業などが並んでいる。郵便配達や宅配、清掃といった作業は、毎日同じ業務を繰り返し行う側面が強い。このため、たとえばドローンの開発や、清掃用のAI掃除機などのさらなる開発が進めば、機械による代替可能性が高まる。

 さらに、ドライバーも代替可能性が高い職種となった。自動運転の技術の進展に期待されるところだが、ドライバーの種類によってその代替可能性はやや異なる。すなわち、その他ドライバーやトラックドライバーは代替可能性が高いが、タクシードライバーは代替可能性が低い。タクシードライバーの提供するサービスは顧客によって変えなければならない部分も多く、レベルが高ければ顧客の満足度に影響を与え、売り上げもそれによって変動するからだろう。

 一方で、トラックのドライバーやそのほかドライバー(バスの運転手など)は、タクシードライバーよりも定型的な業務を行う側面が強いと考えられる。同じ運転手でも仕事の性質は異なるのである。

財務・会計・経理
一般事務、薬剤師なども代替可能

 ホワイトカラーの中にも、代替されやすい仕事がある。その筆頭は、財務・会計・経理である。この職種は比較的定型化された仕事が多く、将来代替される可能性が高い。公認会計士・税理士は財務・会計・経理業務の中よりも専門的で、高度な仕事を行っていることから定型業務の比率はやや低くなったものの、それでもやはり代替可能性が高い区分に入った。

 一般事務も比較的代替されやすいが、一般事務は最も職業人口の多い職種であり、多様な人がこの区分に該当している。同じ一般事務でもその人の担う役職によって職務は大きく違うし、正規雇用者か非正規雇用者かでも異なる。ただ、全体的な傾向として、この区分もやはり定型業務が多いことがわかる。

 薬剤師も定型業務が多かった。患者の状態を鑑別し、どのような薬を処方するかを決めるのは医師である。薬剤師はその判断に基づいて、指示通りに薬を調合する側面が強いからだと考えられる。