横断歩道を歩く人
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デフレは人口減少によって起きるとの見方があるが、果たしてそうか。消費者物価上昇率と人口増加率との間には、相関関係があるとはいえない。物価の変動は、金融政策や為替の動向によるところが大きいのである。(名古屋商科大学ビジネススクール教授 原田 泰)

 人口がすべてを決定するという議論が根強いように思う。人口が減少するから需要が伸びない、需要が伸びないから投資ができない、投資ができないから成長できない等と多くの人々が言う。

 しかし、人口は減少するにしろ増加するにしろ、プラス・マイナス1%程度でしか動かない。成長しようと思っている企業が、「これから毎年1%ずつ成長して100年後には売り上げを2.7倍にするぞ(複利計算すると100年後には2倍ではなく2.7倍になる)」なんて考えはしない。売り上げ10億円のやる気のある企業なら「5年後に100億円にするぞ」、100億円の企業なら「5年後に1000億円の売り上げを目指すぞ」と考えるものだろう。1%はわずかなものでしかない。

 人口決定論が盛んなのは、人口減少を反転するのが難しく、それが誰の責任なのかもよく分からないから、うまくいかないことの理由にするのに便利だからだろうと私は思う。多くの人口決定論は誤りである。そのうち、データで明確に分析できる、「人口が減少するからデフレになる」という議論について考えてみたい。