バイデン氏バイデン政権発足後に、米国株の上昇トレンドを持続させる材料はあるのか Photo:Joe Raedle/gettyimages

大統領選後に米国株上昇が加速
選挙結果とねじれ議会は関係なし?

 米国株は米大統領選後に大幅上昇した。S&P500株価指数は、米大統領選挙前日の11月2日から1週間で7%上昇し、その後も堅調だ。

 米選挙の結果は、米国株にプラスの内容だったのか。大統領選と上院選の結果は確定していないが、バイデン大統領、共和党が上院の過半数、民主党が下院の過半数という「ねじれ議会」の継続が、市場のコンセンサスだろう。

 ねじれ議会が継続すれば、米国株にプラスとなる大規模な追加景気対策は期待しづらい。よって、大統領選後の米国株高の理由として考えられるのは、大統領選という不透明要因を通過することが重要だったということで、結果は関係なかったことになる。ねじれ議会では、バイデン氏の公約である企業や富裕層向けの増税と、民主党左派を重要閣僚で起用することが難しくなったことの2つが考えられる。

株価上昇の現実的な要因は
景気回復と大規模緩和か

 米選挙の結果にかかわらず、米景気回復と大規模な金融緩和が、米国株上昇をサポートするとの見方もある。

 米国の失業率は10月には6.9%と、最悪だった4月の14.7%から急速に低下している。また、米景気の先行指標とされるISM製造業景気指数は、10月に59.3へと大幅に改善しており、米国経済指標は総じて堅調だ。

 経済指標が強いうえ、米連邦準備制度理事会(FRB)の大規模緩和政策は継続、もしくは強化される見通しだ。パウエルFRB議長は5日の記者会見で、「今回の会合で、われわれは資産購入について議論した」と、12月FOMCで追加緩和する可能性も示唆している。景気回復でもFRBがハト派スタンスを継続していることは、米国株にとって追い風だ。