高まる「トリプルブルー」の可能性
バイデン銘柄はアウトパフォーム
米大統領選・議会選(11月3日)が迫る中、市場では民主党・バイデン候補の勝利だけでなく、共和党が過半数を握っている上院でも民主党が過半数議席を獲得し、民主党による「統合政府(unified government)」(いわゆるトリプルブルー)が実現するとの見方が広がっている。
こうした中、米株式市場では民主党の勝利で恩恵をうけるセクターや銘柄(バイデン銘柄)が、環境関連セクター主導でベンチマーク(S&P500指数)をアウトパフォームする一方、共和党の勝利で恩恵を受けるセクターや銘柄(トランプ銘柄)は、エネルギー関連セクター主導でベンチマークをアンダーパフォームしている。
バイデン銘柄とは、インフラ投資関連、再生可能・クリーンエネルギー・環境関連、通商政策関連、ヘルスケア関連、生活必需品・セーフティネット関連であり、トランプ銘柄としては、金融関連、営利教育関連、素材関連、防衛・航空関連、エネルギー関連など規制緩和の恩恵を受けるセクターが挙げられている。
バイデン銘柄は、トランプ銘柄に対してアウトパフォームが続いており、これは3月以降(特にブックメーカーが示している)、民主党内でのバイデン候補の台頭、その後のトランプ候補に対する勝利確率の優位の高まりと、おおむね連動してきた。ただ、バイデン銘柄のアウトパフォームは、政権交代の有無にかかわらず中長期的に将来性が高いとされる環境関連セクターによるところもあり、割り引いて考える必要がある。