当初予算の歳出が約102.6兆円の大規模な2020年度予算は、コロナによって2次にわたる補正予算が追加され結局、歳出規模は約160兆円の巨額に達している。そのうえに12月には「30兆円規模」の第3次補正予算を編成するという。

 補正予算の財源は全て国債発行で調達され、日本の政府債務残高はGDPの2倍を超えた。先進国では突出しており、高齢化などによる社会保障費の膨張もあって、財政はすでに危機的な状況だ。

 金融政策も異常な状況だ。日銀は8年近くも国債買い入れによる金融緩和策を続けてきた。だが「2%物価目標」はいまだ実現できていないだけでなく、国債買い入れは事実上の財政ファイナンスのようになり、財政規律をゆがめることになっている。

 このところは「年間80兆円」という国債買い入れ額を達成できなくなり、2017年は約30兆円、2018年は約29兆円、2019年には約14兆円弱まで国債購入額は落ちている。

 コロナ対策では、2次にわたる補正予算の際に、政府は銀行、地方銀行、信用金庫を通じて実質無利子・無担保の貸し付けをさせる企業金融支援を決めたが、日銀は、金融機関の持つ企業や個人に対する民間債務を担保にしてこれら金融機関に対してゼロ金利の貸付金を大量に供給し始めている。

 これは、マイナス金利で経営が苦しくなっていた地方銀行や信用金庫の収益支援策でもあるが、一方で地銀などの企業債務や家計債務を日銀に付け替える政策でもある。

 実際、その金額は58兆円以上に及び、2020年11月段階の貸付残高は約107兆円まで達している。

 全ての金融機関の貸し出しが増えているが、とくに経営的に苦しい第二地銀は3月には貸し出しが前年比で5%以上も減っていたが、4月以降には貸し出しが増加し続け、10月には6.9%も伸びている。同じように、3月前までに貸し出しの伸び率が1%と低迷していた信金も、10月には8.0%も増加している。

 こうした日銀の資金供給で、11月17日には株価も一時2万6000円台に到達した。さらに今年5月に8割以上も落ち込んだ首都圏マンションの販売も、7月以降にはほぼ前年水準を上回っている。

 コロナ禍でいびつなバブルが起きている状況だといってよい。

 だがバブルが崩壊すれば、第二地銀や信金が破綻する危険性は高まる。2020年9月の中間決算でも地銀77行中の49行の決算が赤字か減益を記録した。

 仮にこうした金融機関が破綻するとなれば、民間債務担保を日銀に付け替えているので、日銀自体のバランスシートが棄損される可能性がある。