「ややこしい話をシンプルに説明する人」や「瞬時に自分の意見を出す人」を見ると、多くの人が「この人は頭がいい」と感心する。なぜ「頭のいい人」は、いつでも「スジの良い意見」や「わかりやすい説明」ができるのだろうか。
会員数100万人超の「スタディサプリ」で絶大な人気を誇るNo1現代文・小論文講師が、早く正確に文章を読み、シンプルでわかりやすい説明ができる頭の使い方を『対比思考──最もシンプルで万能な頭の使い方』にまとめた。学生から大人まで「読む・書く・話す」が一気にロジカルになる画期的な方法で、仕事や勉強に使える実践的なものだ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。
いきなり「本題」に入ってはいけない
オフィシャルな場における「話す技術」「書く技術」の核心部分は、やはり対比ということになります。すでに本書で様々な種類の対比を紹介したように、どんな対比から「自分の意見」と呼べるものを出したのか、その手の内を明かすように話しますし、書きます。
まず〈序論+本論〉という型が大事です。あらかじめ原稿を用意する講演・学会での発表・プレゼンなら当然ですが、それほどではないある程度即興的な意見表明でも、序論を意識します。
本題の前に伝えたい5つのポイント
「序論」では、次のような項目を入れます。
・テーマは何か
・なぜそのようなテーマを選んだのか
・テーマのどこに焦点を当てるのか
・自分の立場・賛否はどのようなものか(結論先取り宣言)
・このあとの本論ではどんなことをどんな順番で話すのか
これらを明示することがおすすめです。書籍でいいますとテーマと動機を語る「まえがき」だけではなく、「目次」まで伝えると考えるとよいでしょう。