「自分の考えや打ち合わせ内容をその場で図解する。このテクニックがあれば、会議、ブレスト、プレゼンが劇的に変わる。考える力と伝える力が見違えるようにアップする」
こう語るのは、アートディレクター日高由美子氏。発売6日で大重版が決まった『なんでも図解ーー絵心ゼロでもできる! 爆速アウトプット術』の著者です。「フレームワーク」や「キレイな絵」を一切排除し、瞬間的なアウトプット力の向上を徹底的に追求するワークショップ、「地獄のお絵描き道場」を10年以上続けています。複雑なことをシンプルに、難しい内容をわかりやすく。絵心ゼロの人であっても、「その場で」「なんでも」図解する力が身につくと評判になり、募集をかけてもすぐキャンセル待ちに。
本連載では「絵心ゼロの人であっても、伝わる図を瞬時に書くためのテクニック」をお伝えします。

2つのワクチンを「違い」を徹底図解!

 新型コロナ、やはりワクチンの開発は気になるところです。今回は新型コロナのワクチンについて、『新型コロナ「ファイザー」と「モデルナ」のワクチンの特徴は』の記事の要点を図解しました。

NHK『新型コロナ「ファイザー」と「モデルナ」のワクチンの特徴は』
※タイトルクリックで記事に飛びます。

 今回は色を使って書く場合を想定しています。(黒、赤、青の3色ボールペン+グレーのマーカー)

色を使うときは「主になる色(今回は黒)」「グループ分けや順序を示す色(青)」「強調する色(赤)」と、役割を意識して使い分けましょう。

 まずは、エリア分けをします。2つのワクチンの比較がメイン(第1段落)、続いてワクチンについての解説や補足の文章が2つの段落として続きます。拙著『なんでも図解ーー絵心ゼロでもできる! 爆速アウトプット術』で紹介した「ランダム型」で書いていきます。下図を見てください。

 このランダム型のように、あらかじめ分割しておきましょう。下図を見てください。

 第一段落の記事内容はこのようになっています。

有効性に関する暫定的な結果が発表された「ファイザー」と「モデルナ」のワクチンは、従来型のワクチンとは異なり、いずれも「mRNA」という傷みやすい成分が入っていて、輸送や保管の際の、低温での管理が重要になります。適切な温度管理ができないと、接種しても効果が失われるおそれがあるということです。
アメリカのCDC=疾病対策センターの会議などで示されたデータによりますと「ファイザー」のワクチンは、
▽マイナス60度から80度であれば、最大半年間、保存が可能で、
▽2度から8度だと5日間、保存が可能だとしています。
一方、モデルナのワクチンは、
▽マイナス20度で最大半年間、保存が可能で、
▽2度から8度では30日間、保存できるとしています。
これについて、アメリカのメディアは、温度管理の点で、より扱いやすいとみられるモデルナのワクチンの結果を歓迎する専門家の声などを伝えています。
一方、ファイザーもワクチンの輸送に使う専用の小型容器を開発していて、ドライアイスを入れることで輸送の際や、冷凍庫がない場所での温度管理が容易になるような対応を進めています。

 冒頭から2つのワクチンの特徴が説明されています。2つを比較しやすいように「ファイザー製」と「モデルナ製」を横に並べて並列に表します。「mRNA」は2つに共通の遺伝子なので中心に配置し説明を入れます。囲みを2つのワクチンの囲みに少し重ねて両方の共通成分であるとわかりやすくします。温度の部分は比較がしやすいようになるべく文字の配置(構成)を合わせましょう。情報をまとめました。下図を見てください。

【文字を囲むときのポイント】
①文中で何度もでてくる単語の囲みは形を統一する
②囲みすぎに注意
③丸と四角、線だけで区切る、などで変化をつけてわかりやすく

 次に第2段落を図解します。今度は向かって一番右のエリアに内容を書いていきます。

保管温度の違い 専門家は
「ファイザー」が開発を進めるワクチンと「モデルナ」が開発するワクチンはいずれも「mRNA」という遺伝子を使っています。
いずれのワクチンも低温で管理する必要がありますが一般の医療機関で生ワクチンなどを保管するときに使われる2度から8度の温度で保存できる日数は「ファイザー」のワクチンで5日間、「モデルナ」のワクチンは30日間と異なっています。
これについてワクチン開発に詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は、ワクチンの性質などの詳しい情報が公開されておらず、評価は難しいとしたうえで、「2度から8度という温度は麻しんなどの生ワクチンを保管している温度なので、現場で使うことを考えると、いずれのワクチンもこの状態で数日間、安定性があるということは、使いやすいと思う。長く安定しているほうがより使いやすい可能性はある。ただ、輸送の段階ではさらに低い温度が必要だと考えられるのですべての医療機関に届けるためにはまだ、課題は残っている」と話しています。

 見出しを書く時には、見出しのテキストの中でも「保管温度の違い」を囲んで目立たせています。また、登場する専門家については、氏名などの補足を入れ、人アイコンを配置します。この人アイコンの表現を次の段落でも踏襲します。下図を見てください。

 次に第3段落です。

専門家「長期の安全性や有効性 見極めはこれから」
アメリカの製薬会社、「モデルナ」が開発を進める新型コロナウイルスのワクチンについて、専門家は「長期の安全性や有効性はこれから見極めないといけない」として冷静に開発状況を見守るべきだとしています。
ワクチン開発に詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は今回、「モデルナ」が発表した臨床試験の暫定的な結果について、「インフルエンザワクチンで有効率が30~50%とされている中、それよりもいいデータが発表されて、驚いている」と話しました。
ただ、実用化について、中山特任教授は「『ファイザー』からもいいデータが発表されているがいずれのワクチンもまだ中間段階の発表であり、この発表だけで新型コロナウイルスが制圧できる、コントロールできると安心できるわけではない」と述べ、開発の状況を冷静に見守るべきだとしました。
そのうえで、「ワクチンを接種したことで獲得できる免疫が1年なのか2年なのかどれだけ続くのかがまだ分かっていない。多くの人に接種することになると、重篤な副作用が出てくる可能性もある。長期の安全性や有効性は、今後、見極めていく必要がある」と指摘しました。

 この文章も図解しました。下図を見てください。

 見出しの『専門家「長期の安全性や有効性 見極めはこれから」』を囲んで目立たせます。同一人物の専門家の意見なので前出の人アイコンをそばに配置します。

 これで大枠は完成です。黒、赤、青の3色ボールペン+グレーのマーカーを使って、わかりやすく、見やすく、ブラッシュアップしていきます。