「自分の考えや打ち合わせ内容をその場で図解する。このテクニックがあれば、会議、ブレスト、プレゼンが劇的に変わる。考える力と伝える力が見違えるようにアップする」
こう語るのは、アートディレクター日高由美子氏。「フレームワーク」や「キレイな絵」を一切排除し、瞬間的なアウトプット力の向上を徹底的に追求するワークショップ、「地獄のお絵描き道場」を10年以上続けています。複雑なことをシンプルに、難しい内容をわかりやすく。絵心ゼロの人であっても、「その場で」「なんでも」図解する力が身につくと評判になり、募集をかけてもすぐキャンセル待ちに。
本連載は、日高氏の処女作『なんでも図解』のエッセンスを抜粋し、「絵心ゼロの人であっても、伝わる図を瞬時に書くためのテクニック」を伝えるものです。
人のアイコンが持つ「2つの力」とは?
今日は「人のアイコン」をマスターしましょう。
「なぜ図解に人のアイコンが必要なのか?」と思われる方もいるかもしれません。実は、人のアイコンには2つの特性があります。「(1)なじみがある」「(2)視線がいきやすい」です。
例えば次の文章の場合、文字だけの図だとこうなります。次の画像を見てください。
このような囲みだけの図よりも、人のアイコンがあったほうが、関係性がひと目で伝わります。次の画像を見てください。「会社」と「人」という関係性がすぐわかりますね。
関係が複雑なときほど、人のアイコンの活用は効果的です。
書き方は簡単。丸と線だけで1秒で書けます。次の画像を見てください。
この簡単な棒人間、名前はゼロワンくん。人の頭と上半身のみの超シンプルな人のアイコンです。
「ゼロから1を生みだすイノベーター」を象徴しているネーミング……。
いやいや、実は、単純に頭がゼロの形で胴体が湾曲した線でできているから「ゼロワン」なのです。シンプルで素早く書けるので、幅広く活躍するアイテムです。
サッと現場でアウトプットするには、とにかく反復。30秒で何体書けるかチャレンジしてみましょう。だいたい30秒で40体くらい書ければ合格です。
人のアイコンの「2つの使い方」
それでは、どんなときに人のアイコンを使えばいいのでしょうか。大きく2つあります。
1つはビジネスモデルなどの図解の中での役割を明確にしたいとき、もうひとつは状況をイメージしやすくしたいときです。
1つ目の「ビジネスモデルなどの図解の中での役割や人の存在を明確にしたいとき」の例です。
この文は囲みと矢印で書くとこうなります。次の画像を見てください。
これでも伝わりますが、人のアイコンを使うとよりわかりやすくなります。次の画像を見てください。