私はこれまで多くの成功者を見てきました。どんな業界でも成功する人に共通するのは「独自の考えを持っており、それを貫き通す」ことです。だからこそ成功するのだと思います。成功者の考え方は、時にユニーク過ぎて誰も理解できません。だからこそ、それまで世の中になかった新しい価値を生み出すことができるのです。そして、たとえ誰も理解者がいなくても、信じた道を貫き通せる。それが「仕事への誠実さ」の第一歩ですし、成功の条件だと私は思います。なれ合ったり、妥協したり、迎合したりして、すぐ周囲に合わせる人は、温厚ないい人、優しい上司に見えるかもしれませんが、仕事に対しては、実は不誠実かもしれません。これは「個」が重要な意味を持つプロスポーツ選手にもいえることですし、彼らと日常的に対峙しなければならないスポーツクラブのスタッフにも必要な資質だと考えています。

丸い人より、カドのある人を

 人当たりがよく協調性を保つ、みんなから非難されない、「丸い人」が社会で評価されやすいのは分かります。しかし、仕事に誠実であるためにはカドも必要です。場を丸く収めればあつれきは減りますが、それではプロのクオリティーは追求できません。大企業とベンチャー型のブロンコスのような企業では、丸さを重視するかカドを重視するか、前提がまったく異なります。時には建前や関係などを気にせず、誰かと大口論しなくちゃいけない局面も出てくるのです。もちろん、同じスポーツクラブでも横浜DeNAベイスターズのように大きな組織なら、コンプライアンスやマネジメントに長けた調整型の人材も必要でしょう。経営者もカドの際立った人よりも、丸さが重要視されるかもしれません。しかし、ブロンコスの立ち位置はいわばベンチャー型企業ですから、現在のフェーズでは、経営者と方向性は合わせながらも、勝手にどんどん物事を進めて、結果を出してくれる「仕事に誠実な、参謀ないし将軍タイプ」が望ましい。

 ですから、私は第1に「仕事に誠実な人材であるか」「相互に仕事への誠実さで信頼できる人材であるか」を見ています。最低限、働いた経験は求めますが、プロスポーツ業界に特化したスキルや経験は問いません。しかし、それでも試合の現場に行けば、切り捨てるべきものは切り捨てながら、プロのクオリティーの試合運営を突き詰めてほしい。それはスキルではなく「意志」の問題です。10箇条を体現して、「やるかやらないか」なのです。仕事に誠実に向き合って、どんどん自分でやれば成長するし、やらなければ成長しない。ブロンコスにはチャンスがいっぱいありますから、「俺に・私に、どんどんやらせてほしい」というイノベーター的なとがった人であればあるほど成長できると思います。