『週刊ダイヤモンド』12月5日号の第一特集は「決算書100本ノック」です。週刊ダイヤモンドの決算書関連特集は累計発行部数が112万部を超えていますが、中でも人気なのが「決算書100本ノック」です。今年はさらに強化し、2021年3月期の中間決算を最速で反映し、合計で100社以上の企業が登場します。その中から、実は超優良のNHKの財務をここでは紹介します。

受信料増を狙い
大批判受けたが…

受信料増狙うNHKの財務は超優良!メタボ体質は決算書で一目瞭然Photo:Rodrigo Reyes Marin/AFLO

 テレビ設置届け出義務化に未契約者氏名の照会制度――。10月、NHKが有識者会議で提出したそんな“傍若無人”な要望に、世間は怒り心頭に発するといった様子だ。

 いまなお抜本的な改革が進まないNHK。今夏公表された2021~23年度の経営計画案では、「スリムで強靱なNHK」の実現がうたわれ、3カ年で630億円もの支出削減を目指すなど、「肥大化」への批判をかわそうと構造改革をアピールする。だが、その評判は決してよくない。

「NHKがどのような事業をしたいのか、この計画からは見えない一方、衛星放送の集約の時期といった具体策には踏み込んでいないなど、改革の体裁を取り繕っただけという印象だ」と、立教大学の砂川浩慶教授は厳しい評価を下す。

 今年はNHKにとって “悲願”だったインターネット同時配信がいよいよ始まったものの、民放などからは民業圧迫への強い懸念があり、冒頭のように世間からも常に批判にさらされる。NHKの在り方を巡る議論は全く煮詰まっていないのが実情だ。

 だが、そうした批判の裏にある、「NHKは肥大化している」「NHKは無駄が多い」といった指摘は、実際のところどうなのか。その実態を、財務分析で明らかにしよう。