まず、NHKの大きな特徴の一つが、非常に重い減価償却費負担だ。減価償却費とは、固定資産の購入代金を毎年分割して計上し、徐々に決算書上の資産価値を減らしていく費用のこと。簡単に言えば、設備が大きい会社ほど減価償却費が増す。大きな減価償却費は利益を圧迫する要因になる。
NHKの売上高減価償却費率は10.8%と、民放各社を大きく上回る。「10%は半導体製造業並みの水準で、一般的に6~7%を超えるようだと減価償却費の負担が大き過ぎると判断される」と、明治大学グローバル・ビジネス研究科の山口不二夫専任教授は解説する。
同様に、NHKの有形固定資産回転率(土地を除く)を他社と比較してみると、NHKは1.89回と低い。民放は不動産事業を営んでいるなど、事業構造の差を考慮する必要はあるが、設備などの固定資産が効率的に使われていない状況が理解できる。
もちろん、NHKには公共放送としての役割がある。例えば、4Kや8Kといった放送技術の研究を先導したり、地域に根差した放送のため全国に拠点を配置したりするなど、何かと投資がかさむ面もある。だが、現在の設備の水準が果たして適切なのかは疑問だ。
忘れてはならないのが、こうした設備投資が、国民の支払う受信料に支えられているということだ。
(ダイヤモンド編集部 山本 輝)