苦手なことを人に任せれば
自分らしく生きられる
――麻理恵さんは、人前で話すのが苦手で人見知りが強い内向的なタイプだそうですね。そんな麻理恵さんが、海外のテレビや講演活動で活躍できるようになったのは、社交的で外向的な川原さんの支えがあったからだと思います。やりたいことを実現するためには、自分が苦手なことを人に任せることも必要なのかもしれません。
川原:僕は人前で話すことが得意なので、麻理恵さんが無理していることに気がつかず、仕事を詰め込みすぎてしまったことも、過去にはありました。あるとき、彼女の様子がおかしいことに気づいて「これはヤバい」と、講演の仕事をやめて、取材を減らしたんです。そしたら、彼女が最も好きな片づけコンサルティングの仕事に集中できるようになりました。
振り返ってみれば、麻理恵さんが本を出すときも出版コンサルタントの土井英司さんに相談して、出版社の方をはじめとした多くの支援者が彼女を引き上げて、盛りたててくれていました。そこへ、僕がビジネスパートナーとして入って、サポートできることが増えていった。
麻理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』が世界でベストセラーになって、海外での仕事が増えてきた頃にアメリカへ移住したのも、チャンスをつかむために二人三脚で必死にがんばってきた上での決断でした。そういう意味では、自分ができないことは、ほかの人の力を借りて実現するということは、セルフプロデュースの一部と言えます。
――川原さんのように、突き抜けたコンテンツを持つ人を支援するために自分の過去を手放す人がいたら、支援される人の本気度も高まりそうです。
川原:それは、僕だけでなく、今まで支援してくださった人すべてに対してあるみたいですね。麻理恵さんは、自分の実績が輝かしいものになることが、自分を支援してくれた人への貢献だと思っています。結果を出せば出すほど、支援者の選択が間違っていなかったことの証明になりますから。
僕も今まさにその状況で、「本を出したほうがいいよ」と背中を押してくれたファクトリエ社長の山田(敏夫)さんや、初の著書を素敵な本に仕上げてくれた編集やライティングのチーム、PRに関わってくれたみなさんに、「自分たちの選択は間違っていなかった」と思ってもらいたい。だから、本をたくさん売って、支援してくれた人や応援してくれた人たちと笑い合いたい。自分のためだけだったら、ここまでがんばれないと思います。
【大好評連載】
第1回目 「プロデューサーが明かす、こんまりのたった一つの強みとは?」