Zoomでの取材に応じる近藤麻理恵さん(左)と川原卓巳さん(右)

シリーズ累計1200万部を超えるベストセラー『人生がときめく片づけの方法』の著者「こんまり」こと近藤麻理恵さんは、米国を中心に活躍の場を広げている。新刊『Joy at Work 片づけでときめく働き方を手に入れる』(河出書房新社)をこの春に米国で出版したが、新型コロナウイルスの影響で働き方も暮らし方も大きく変わった。それでも、変わらず近藤さんの人気が続いているのはなぜか。米国に暮らす近藤さんと、夫でKonMari Media Inc.代表を務める川原卓巳さんに話を聞いた。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

なぜ米国で受け入れられたのか?
鍵は「わかりやすさ」と「ポジティブさ」

――昨年、Netflixのオリジナル番組「KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~」が人気を博しました。生活はどう変わりましたか?

近藤麻理恵(以下、近藤) 米国でこの見た目って目立ちすぎるみたいで、どこに行っても、ほぼ声をかけられます。仕事のときは、齟齬がないように通訳を通すので、英語力は正直あまり伸びていません。ただ、日常のお買い物や、ママ友と普通の会話程度はできるようにはなりました。

――Netflixの番組は続編もあるんですか?

川原卓巳(以下、川原) パート2をやることは決まってるんですが、コロナ禍での自粛のため、撮影が止まっている状態です。今のところ、次の春まで延期っていう感じです(*川原さんは、Netflixオリジナル “Tidying Up with Marie Kondo” エグゼクティブプロデューサーも務めている)。

――2015年に米TIME誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に選ばれるほどの知名度を得ました。なぜこれほど米国で受け入れられたとご自身で思いますか?

近藤 いくつか理由があると思います。まず、米国でも片づけや整理の本はいくらでもありましたが、「こんまり(R)メソッド」はステップがわかりやすかった。カテゴリ別に洋服、本、書類、小物、思い出品の順番で片づけたり、洋服は全て1カ所に集めて手に取って選んだりするというやり方が明確化されていて、受け入れられた。

 また、片づけはポジティブな意味を持つと伝えたことも大きいです。ときめくモノを選ぶことを「Spark Joy」という英語で表現したんですけれども、米国の方はポジティブなものがストレートに好きで、面白そうと思ってもらえた。片づけを通して自分の人生を見直すという精神性が、どことなく禅っぽい哲学を感じるというか、そういう流れで、受け入れられたんじゃないかなって思います。

――ミニマリスト(必要最小限の持ち物で、丁寧な暮らしを実践する主義の人たち)やアドレスホッパー(定住せず移動しながら生きる人たち)などの新たな価値観が出てきている中で、「こんまり(R)メソッド」が時代に合ったということもあるでしょうか?

近藤 そういう時代の恩恵みたいなものがあって、世の中に受け入れられたっていうことも自覚はしています。ただ、私は自分をミニマリストとは思っていません。よく勘違いされるんですが、私は、ミニマリストというより、ときめくモノに囲まれて生きるのが大事だと思っています。