「こんまり」こと近藤麻理恵は、今や「片づけ」プロフェッショナルとして、世界で最も知られる日本人の一人となりました。2015年雑誌「TIME」の「世界で最も影響力のある100人」に選出、2019年には彼女独自の片づけ法「こんまりメソッド」をテーマにしたドキュメンタリー番組が動画配信サービス「Netflix」でシリーズ化。「KonMari〜人生がときめく片づけの魔法〜(Tidying Up with Marie Kondo)」は世界190の国と地域で配信されました。同年にはテレビ番組のアカデミー賞とも言われる「エミー賞」で、2部門ノミネートされました(これは日本人初の快挙だそうです)。
麻理恵さんの世界進出の戦略を手掛けてきたのがプロデューサーであり夫でもある私、川原卓巳でした。日本で活動していた彼女が、どのような流れで世界を舞台に活躍することになったのか。
初めて書き下ろした書籍『Be Yourself』では、麻理恵さんと二人で歩いてきた「自分らしく輝く」ための道のりをご紹介しています。特別なスキルや努力は必要ありません。あなたが、あなたらしく戻ること。そのためのステップをまとめました。連載2回目は、麻理恵さんと僕が渡米後に経験したことをお伝えします(11月26日放映のトーク番組「徹子の部屋」にも出演しました)。(構成:宮本恵理子)
驚くほど地味な作業が幸運を引き寄せた
自分らしい本来の姿で輝くってどういうこと?
その具体的な方法は、僕のは初めての書籍『Be Yourself』でじっくりとお伝えしていくとして。
本題に入る前に、「Be Yourself」の事例をみなさんにご紹介したいと思います。
片づけコンサルタント・近藤麻理恵と僕の実体験です。
麻理恵さんはアメリカに渡ってから飛躍的に活躍のステージを広げました。
もともとは愛称だった「KonMari」が、「Konmaring」「Kondo-ing」などと言われるようになり、麻理恵さんの名前が片づけることの代名詞として使われるようになるほど多くの人に浸透していきました。Googleで検索することを「ググる」と言うのと同じ感じです。
もちろん、何もせずにブレイクしたわけではありません。
麻理恵さんの本『人生がときめく片づけの魔法』の英語版がアメリカで出版された当時、僕たちはまだ日本で暮らしていたので、プロモーションは現地の出版社やエージェントに任せていました。アメリカでは担当者が地道に、全米の主要メディアに本を送る日々。出版業界の人にとっては普通のことかもしれませんが、当初はそれくらい当たり前の、でもひたすら地味な作戦をコツコツと続けていました。
すると、この地味な努力が思わぬ形で次のチャンスに転じました。