新型コロナワクチンへの期待から、NYダウ工業平均株価が3万ドルを超えた。二番底が懸念される実体経済との落差を、どう考えるべきか Photo:PIXTA

コロナ禍、史上初めての突破
東証株価はバブル崩壊後最高値

 米国市場ではNYダウ工業株平均が遂に3万ドルの大台を突破し、このところやや勢いを失いかけていたハイテク株も持ち直してナスダックも最高値を更新した。コロナ禍の直撃で低迷を続けていたエネルギーや金融などが息を吹き返しただけでなく、小型株も今月は約20年ぶりの上昇率を記録する見通しだ。

 米国株高の勢いを背に受けて日経平均株価も29年ぶりとなる2万6000円台に乗せ、欧州市場でもこれまで冴えなかった銀行株が久々の上昇機運に乗っている。

 だが一方で、コロナの感染拡大で米国経済は「二番底」に陥る可能性もあり、株式市場と実体経済の間の極端な落差がいつどのように調整されるかが見えない不安が、市場の熱狂と同居する。

市場のけん引役は
緩和マネーからワクチンに

 株高をけん引しているのは、ファイザーやモデルナ、そしてアストラゼネカなどの製薬企業が相次いで良好な新型コロナウイルス・ワクチンの治験結果を発表したことだ。

 ワクチンの早期投与の期待が膨らんだうえ、迷走するかに見えた米国のバイデン新政権への移行手続きも動き始め、さらにはイエレン前FRB議長が米財務長官に指名されるとの観測も強まって、市場には来年の景気回復を先取りするムードが溢れる。