従来の「製作委員会方式」では複数の企業が民法上の任意の組合を組織して資金を共同出資したが、今回は原作漫画の版元である集英社、企画・配給のアニプレックス、制作会社ユーフォーテーブルの3社で製作された。1社の製作費用の負担は大きくなるが、当たればリターンも大きくなる。

 2019年にテレビ放映されたアニメ『鬼滅の刃』の続編ということもあり、大ヒットがある程度予測できたということもあるだろう。しかし、それよりも資金調達方法としてユニークだったのは、多くのコラボ商品やコラボキャンペーンを行ったことは注目に値する。

 コラボ企業は、キャラクターやネーミングなどの使用料として著作権や商標権といったライセンス料を支払うことになる。識者によると、これらのライセンス料は売価の5%というのが一般的だそうだ。

 例えば、『鬼滅の刃』の登場人物をパッケージに描いた食品が200億円売り上げたとしよう。著作権や商標権を持つ製作者側には、10億円のライセンス料が入ってくるわけである。これを上記の3社で分配することになる。もちろん、作者には原作使用料が支払われるので、その分は差し引かれる。

あなたにも税務調査の可能性!?
「脱税」と「申告漏れ」の違い

 コロナ禍により多くの事業活動が萎縮し景気が冷え込む中で、『鬼滅の刃』アニメ映画のメガヒットは経済にとっても希望の星、明るいニュースであった。しかし、唯一残念だったのは、アニメ制作会社の脱税という「みそ」がついてしまったことである。

 当のユーフォーテーブル社と同社社長はすでに「修正申告」を行い、謝罪会見もされているので、この問題にこれ以上言及する気はない。人を感動させる、あれだけの美しいアニメを制作される会社なのだから、今後は本業に徹し、ますます邁(まい)進してほしいと願うばかりである。

 税理士として、ここで触れておきたいのは「脱税」と「申告漏れ」の違いについてである。どちらも税務調査の対象となるのだが、「申告漏れ」は計算違いや申告忘れなど、「ついうっかり」である場合が多い。対して「脱税」は意図的であり、国民の義務である納税の不履行という違法行為となる。

 そのため、「申告漏れ」の場合はあらかじめ電話などで事前通告があり、税務署の担当職員による「任意調査」となる。任意とはいえ、拒否はできないと思っていたほうがいい。一方、「脱税」の場合は「強制調査」である。予告なく、国税局査察部(通称マルサ)職員の来襲を受けることになる。

 どちらも「修正申告」を促され、新たに納め直す税金のほかに過少申告加算税や延滞税などのペナルティを支払わなければならない。「脱税」の場合は、所得隠しの手口が悪質だったり、脱税行為の常習者だったりすれば、刑事告発され、逮捕されてしまう場合もあり得る。