NTTグループが総力を挙げて、NTTドコモの立て直しに乗り出した。NTTから派遣されたドコモ新社長は、携帯電話の格安プラン「ahamo(アハモ)」を発表。通信の価格破壊を起こしかねないドコモの一手に業界は騒然としている。(ダイヤモンド編集部 村井令二)
日本人のほとんどをカバーする
月額2980円の新プラン
「NTTが本気を出してきた。われわれはどこまで太刀打ちできるか分からない」
NTTドコモが発表した携帯電話の新料金プラン「アハモ」。想定を超える料金値下げに、競合他社は驚きを隠さない。
2021年3月に提供開始の予定が発表されたアハモは、月20ギガバイト(GB)のデータ通信料を月額2980円(税別、以下料金表記すべて同じ)で提供する料金プランだ。この破壊力を表現するには説明が要るだろう。
IT調査会社のMM総研(東京)によると、スマートフォン利用者が使う月間データ通信量の平均は約7GB。月20GBを超えるデータを使うヘビーユーザーは全体の5%未満に過ぎない。つまり、スマホユーザー全体の95%は20GBの容量で十分だ。
今後、5G時代が本格化すれば、データ利用は爆発的に増える可能性はあるが、当面の間、ほとんどの日本人のデータ利用が月20GBで足りるとすれば、ドコモの2980円の新料金は相当の威力がありそうだ。競合の顧客を根こそぎ奪うほどの衝撃に、通信業界は騒然としている。