携帯激震!総務省vsキャリア3社#4Photo:Hero Images/gettyimages

携帯電話の販売ルールが法律で規制され、携帯電話会社に「通信回線と端末の完全分離」が義務付けられる。私たちの携帯電話の料金はどうなるのだろうか? 特集「携帯激震! 総務省vsキャリア3社」(全5回)の第4回で、徹底解説しよう。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

通信料が下がっても端末代は上昇
携帯会社の乗り換えは容易に

 10月1日に施行された改正電気通信事業法は、携帯電話会社の販売方法を規制する法律だ。業界の商慣習にメスを入れて、料金競争を促す狙いがある。

 そのポイントは三つある。

*通信と端末の完全分離の義務付け
*セット販売する場合の端末割引の上限は2万円
*2年契約の解約金の上限は1000円

 順番に見ていこう。

●通信回線と端末の完全分離の義務付け

「完全分離」とは、通信回線と端末の販売を別々に行うことだ。

 9月30日まで、通信回線と端末のセット販売は当たり前だったが、端末の購入を条件とする通信料の割引は全面的に禁止された。

 例えば、通信を2年契約して、スマートフォンを2年分割払いで購入する場合、スマホの代金分を2年かけて毎月の通信料から割り引けば「実質0円」になるが、まさにこうした販売方法が禁止になった。

 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社は、この手法で米アップルのiPhoneを販売していたため、高額なはずのiPhoneが実質0円で売り出され、急速に販売が拡大した。

 しかし、実質0円といっても、実際は通信料を割引しているだけで、iPhoneの代金は割引されることなく毎月アップルに流れ込んでいた。この割引の原資は通信料としてユーザーが負担していたことになる。つまり、端末とセットの通信料は、端末の割引原資が含まれていたため、もともと高かった。

 そこで、通信契約と端末販売を切り離して、これまで実際に払っていた通信料から端末購入補助に相当する分を除いた本当の通信料を透明にするのが「完全分離」の狙いだ。

 これにより、通信料と端末代は、それぞれで比較しやすくなった。第1段階として、端末購入補助が禁止になっただけ、通信料の部分は引き下げられた。