電気自動車(EV)メーカー、米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は8日、テキサス州に拠点を移したことを明らかにした。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)主催の年次イベント「CEOカウンシル」でマット・マレー編集局長のインタビューに応じた。マスク氏は、移転は数カ月かけて準備を進めてきたとし、イノベーターを当たり前の存在として扱うようになったカリフォルニア州に失望したと語った。新型コロナウイルス禍を背景とする遠隔勤務の普及で、足元ではスタートアップ企業の幹部や従業員によるシリコンバレーからの流出が加速している。先週にはシリコンバレー黎明(れいめい)期の基礎を築いたヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)もテキサス州に本社を移転する計画を明らかにしている。そのため、ハイテク首脳や関係者からは、業界の拠点としての妥当性を失いつつあるとの疑問も出ている。