ハートフルネスは、思いやりと感謝で心を育てる、
マインドフルネスの進化形

重松先生は、アメリカの心理学専門誌『サイコロジー・トゥデイ』で、「Finding Meaning in Life’s Struggles(人生の困難に、意味を見出す方法)」という人気ブログを連載しています。

「臨床心理学で、私はたくさんの苦しんでいる人と対話してきました。

人が幸せになるのは、決して簡単ではありません。

誰もがヴァルナビリティ(開かれた弱さ)を持ち、悩みながら生きているのです」

人生を充実させ、生きづらさから解放されるためのヒントとして、思考、脳の研究から生み出されたのが、今、起こっていることに集中する「マインドフルネス」です。

その手法の一つ「瞑想」は、Googleなどの世界的大企業で取り入れられていることで有名になりました。

重松先生は、著書で「マインドフルネスをもっともよく表す漢字は「念」であり、これは「今」と「心」のふたつの部分からできている。

しかし、日本語で「心」が気持ち、強い感情、意識や思考、魂など、その人全体を指すのに対し、西洋でマインドフルネスといえば、ハートから切り離された知性や思考といったイメージを持つ人がいる。

それを考えると、ハートフルネスという表現のほうが、「念」の意味に近いだろう」と述べます。

「ハートフルネスの考え方は、自分だけで完結するものではありません。

能力があるということは責任があるということ。社会に対してできることをやる、行動を起こし社会に貢献、奉仕する。この過程すべてがハートフルネスです。ハートフルネスは、不安な時に一歩を踏み出す原動力、そして、生きる目的になります」

重松先生はこう語ります。