岐路に立つ日本企業の海外戦略

 トランプ政権はこれまで以上に米国民に寄り添う姿勢を見せ始めています。

 例えば2020年6月には、タカラバイオの米国子会社がアリゾナ州のバイオシンタグマと共同でPCR検査を2時間で5000件も実施できる手法を開発しました。

 日本ではこれがあたかも日本企業の成果のように語られています。しかしこれはあくまでも米国企業の話です。タカラバイオUSAにも日本人は多く働いているかもしれませんが、タカラバイオUSAは米国の会社であり、同社が生み出した利益は米国子会社に落ちることになります。

 トランプ政権はこれを称えました。今後の生産増で生まれる雇用は米国内で賄われることになります。こうした動きはコロナ禍からの復興を示すものと言えるでしょう。

 米国の国民の生活がさらに豊かになり、米国の経済が潤うこと。これからの米国は自国を最優先にした政策を国内外に打ち出していきます。

 その中で、日本企業はどうするのか。

 何も米国民のために子会社を経営する必要はありません。同じように自国である日本を最優先するグローバル戦略を構築する必要があるのです。