2021年から米国を率いる新大統領のジョー・バイデン氏(厳密には、
米国の頭脳は「新エリート」の手にわたる
「あなたは米国民なのだから、米国のために働いてほしい」
2015年、私は民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員からこんな手紙を受け取りました。当時所属していたシンクタンクからも、彼女がそれぞれのシンクタンクに送った手紙のコピーと彼女に米国の製薬会社との癒着を指摘されてブルッキングス研究所を辞職した研究者に関する記事のコピーが送られてきました。
オバマ政権時代、ワシントンのシンクタンクは国益ではなく研究資金を拠出する企業に都合のいいレポートを書くと批判されていました。その企業の中には海外の企業も含まれており、オバマ大統領も批判していました。
ウォーレン上院議員の指摘は、「政府に提言するような職に就いているのであれば、何よりも米国の国益を考えて働くべきだ」という至極まっとうなものでした。米国の格差拡大や国力低下という惨状は、一部の人間が公共の利益よりも自分たちの利益を優先した結果なのだから、それを是正すべきだというのです。