翌11日の公判では、被害者Hについて「深刻な様子ではなく、ツイッターは出会い目的と思う」「今から死のうという感じではなかった。明るく笑っていた」と供述。殺害した理由は「口説けそうと思ったが、(貢がせるには)収入面で難しいと判断した」と説明した。

 また7人目の殺害以降も、首を絞めるロープや遺体を隠すクーラーボックスを購入し「3~4人分を準備した。犯行をやめるつもりはなかった」と計画性を示唆した。

 翌12日は被害者Iについて、会う前から殺害を計画していたと述べた。また所持金が1000円ほどしかないことを認識していながら誘い出したことに「(犯行当初は)金が第一だったが、(途中から)レイプに変わっていった」と明かした。

 24日の被告人質問では、検察側に被害者と遺族に対しての思いを問われたが「正直、何とも思わない」と抑揚のない口調で答えていた。

「極刑でも控訴しない」と投げやりに言い放った

 最後の被告人質問となった25日の公判で、検察官の問いに「このままいけば極刑になるとは思う」と述べたが、その後も態度を変えることなく「極刑でも控訴しない」と投げやりに言い放った。

 翌26日には論告求刑公判が開かれた。白石被告はいつも通り無表情で、この日も開廷前に立ち上がりはしたものの礼をせず着席。求刑に先立つ遺族の意見陳述で「お前を許さない。娘を返せ」と罵声を浴びても、身じろぎもしなかった。

 検察側は論告で「遺族は苦しみと悲しみが一生続く。まさに生き地獄」「自殺志願者を標的に、SNSで巧妙に誘い出した手口は世間を震撼(しんかん)させた」と強く指弾。その上で「殺害の承諾がなかったことに疑いを差し挟む余地はない」「犯行は計画的で卑劣かつ冷酷」「わずか2カ月という短期間に9人もの若く尊い命を奪い、万死に値する」として死刑を求刑した。

 弁護側は被害者が首つりなど具体的な方法を白石被告と重ねていたとして「殺害を承諾しており、死ぬために被告宅に向かった」と改めて主張。殺害行為については「被告宅で酒や薬を飲み、タイミングは被告に委ねられていた」と訴えた。公判で白石被告本人が一貫して承諾を否定したことは「真実ではなく、早く終わらせるための供述だ」と強調した。

 結審直前、白石被告は矢野裁判長から発言の機会が与えられたが「何もありません」とだけ一言。再度「何もないでいいのですか」と念押しされたが「はい、そうです」と述べて着席した。死刑を求刑されても動揺した様子はなかった。

(※筆者注:記事は被害者とご遺族に配慮し、犯行の手口は簡略化、遺族の陳述も可能な限り割愛しました。また、法廷での被告の様子や検察側と弁護側の主張を中心に記事を構成しました)