また、仮に東京オリンピック・パラリンピックが開催されても、観客動員などの制約があれば、望める効果は大きいとはいえない。加えて、東京周辺の施設だけに影響が出るのであれば、地方にとっては二重の意味で効果は限定的になる。そして、オリンピック後にも依然として感染拡大の危険性がある場合、マーケットが回復することは望めない。したがって、私は2021年の稼働率は40%程度になると予想するのが妥当と考える。

 国際航空運送協会(IATA)の2020年5月時点の発表では、国際航空路線の回復は2024年となっていた。それは今後遅くなることはあっても、完璧なワクチンの開発でもない限り早まることは想定できない。2025年の大阪万博までには宿泊施設の稼働率が70%程度に戻るというのが私の願いだが、現状はまだまだそれぞれの施設における損益分岐点を超える状態にはほど遠い日々が続く。

 その中で生き残るためには、オペレーションのダウンサイズ、キャッシュアウトの最小化、資金の準備など施設側による努力も必要だが、政府についても雇用調整助成金を新年度も継続するなどの方法論の決定をお願いしたい。

 観光業界の復活をより短期間で目指すという視点で見れば、私は6月までGoToトラベルを続けるのではなく、雇用調整助成金を3月まで延長することで観光産業を支え、1月末でいったんGoTo事業を中止するという選択肢もアリだと思う。来年の2~3月は移動を制限して感染拡大の抑え込みに注力し、宿泊施設は休業するとしてはどうだろうか。そして、新年度にはある程度感染を抑制できた状態で、まずはビジネス客から移動を解禁し、オリンピックをもって一般の旅行者も限定的に解禁する。稼働率も上がらない中でGoToによる感染者数増加を懸念し(政府は感染者数増加とGoToキャンペーンの因果関係を認めていないが)、経営体力を削りながら営業を続けるよりも得策ではないだろうか。