これらの方法で一部のゲームを無料とした上で、それ以外は全て無観客とせざるをえないかもしれません(とはいえ、選手の頑張る姿を見てもらうためにネットの配信に注力します)。それが現時点では最も現実性のある方法ではないかと私は考えています。幸いにして、スポンサー企業の支援によって、今後1年間チームを運営していく資金はギリギリで確保できています。「無料&無観客」でも何とかやっていくことはできます。いずれにしても、リーグとの継続的な話し合いは必要になると思いますが。

 繰り返しますが、私はパートナー、スポンサーになって頂ける方は別にして、コロナ禍で苦しんでいる地域の皆さんからできることならコロナ禍の今季には入場料を頂きたくはありません。今年は地域との絆を築けず倒産しかかっていたチームが新しく生まれ変わる初年度です。新しいチームの船出を皆さんに見てほしいし、選手が頑張っている姿も見せたいという強い思いもあります。しかし、このような災厄に見舞われた時です。無理にお金をとってゲームを見せるのではなく、できるだけ負担なく(もちろんできれば無料で)、地域の皆さんに地元での楽しみを提供したい。

 この挑戦の行方は、今のところ私にも見えていません。今は正直何をどこまで自分たちで決めて良いのかわからず困り果てています。今後もこの連載で動きを随時報告していきたいと思います。

池田 純
早大卒業後、住友商事、博報堂勤務などを経て2007年に株式会社ディー・エヌ・エーに参画。2011年横浜DeNAベイスターズの初代社長に就任。2016年まで5年間社長をつとめ、コミュニティボール化構想、横浜スタジアムのTOBの成立をはじめさまざまな改革を主導し、球団は5年間で単体での売り上げが52億円から110億円へ倍増し黒字化を実現した。退任後はスポーツ庁参与、明治大学学長特任補佐、日本ラグビーフットボール協会特任理事などを務め、2019年3月にさいたま市と連携してスポーツ政策を推進する一般社団法人さいたまスポーツコミッションの会長に就任した。また、現在有限会社プラスJ(https://plus-j.jp/)。では、世界各国130以上のスタジアム・アリーナを視察してきた経験をもとに「スタジアム・アリーナミシュラン」として、独自の視点で評価・解説を行っている 著書に『常識の超え方』『最強のスポーツビジネス』(編著)など。