優秀作を受賞したホームレス「観察」レポートが炎上

 さらに11月に入ってからは、cakesのクリエイターコンテスト優秀作を受賞した作品が炎上。これは、ホームレスを3年間取材し続けた夫婦ユニット「ばぃちぃ」による写真入りのレポート記事だった。タイトルは「ホームレスを3年間取材し続けたら、意外な一面にびっくりした」。

 この記事については、「ホームレスの人を動物のような“観察対象”、“異文化扱い”にしている」「剥き出しの差別だ」といった批判のほか、優秀作に選ぶ編集部のスタンスにも批判が集まった。一方で、「異文化扱いしてはいけないのか」「タブーにするより興味関心を持った方がいい」などの擁護意見もあった。

 ただ、「ばぃちぃ」が過去に、交流のあるホームレスの人が作った食事を「ホームレス飯」と名付けてレシピサイトに投稿していたことや、「ホームレス人生ゲーム」の制作を企画し、その境遇を面白がっているとも取れるスタンスだったことが明らかになると、擁護の声は少なくなっていった。

 ミュージシャンのロマン優光氏は自身の連載の中でこの炎上を取り上げ、この記事について「単純に失礼な感じ」「対象に対して失礼でしかないみたいな文章が多い」「文章が雑なせい、下手なせいで余計に変に見えてる部分もあるとは思います」と分析している。

 この分析にもあるように、そもそも記事のクオリティに疑問を持った読者も多く、優秀作品に選んだ編集部の運営に疑問の声が上がった。

2回の炎上、余波で関係のない書き手が「連載消滅」

 そして12月に入り、3回目の炎上があった。12月9日に声優の浅野真澄氏が「あさのますみ」名義でnoteにアップした記事のタイトルは「cakes炎上と、消滅した連載」。

 浅野氏の記事が炎上したのではない。前述した10月と11月の2回の炎上により、cakesで予定されていた浅野氏の連載がなくなった、というものだ。

 浅野氏は、友人が自死を選んだことをきっかけに生じた自身の葛藤を2020年3月に「逝ってしまった君へ」という文章にして発表。cakesクリエイターコンテストに入選し、連載の権利を得ていたという。

 しかしその後の炎上を受け、cakes編集部からは「刺激が強い部分はマイルドに書き直してほしい」「フィクションってことにしませんか」などの提案があり、浅野氏は大きなショックを受けた。また、掲載できないが、支払うとされた原稿料は「1本あたり7000円」だったという。

 これについてネットでは「ひどすぎて言葉にならん」「編集がだめすぎる」などの声があふれた。

 ただ、その後12月14日に浅野氏はnoteを更新して、編集部と和解したことを報告している。

 また、12月10日にはcakesで連載を持っていた佐伯ポインティ氏が「2年間続けていたcakesでの連載が打ち切りとなりました」という記事を公開し、編集部都合により連載打ち切りの提案があり、その提案に不信感を覚えたことをつづっている。