12月3日、NTTドコモがメインブランドで月額2980円(通信量20ギガバイト)のプランを発表し、日本中に激震が走りました。ドコモがここまで大胆な料金プランの展開を決めた背景には、菅義偉内閣のキーパーソンである武田良太総務大臣の存在があります。目玉政策の一つが政権発足から早くも実現に向けて動きだした――。舞台裏では何が起きていたのでしょうか。その真相について、武田大臣に迫ります。(聞き手/経済アナリスト 馬渕磨理子)
>>武田総務大臣インタビュー(上)『NHKの受信料値下げ消極姿勢は「常識がない」、武田総務相・独占告白』から読む
ドコモの料金値下げに至るまでの舞台裏
武田総務大臣が明かす
馬渕 楽天の携帯電話事業参入にNTTドコモの料金引き下げと、寡占化された市場に対して政府が着実に役割を果たしています。携帯電話料金に関しては政府としてどのような問題意識をお持ちだったのでしょうか。
武田 携帯電話が国民の生活必需品となる中で、その通信料金が家計支出の約4%を占めており、国民生活の大きな負担となっています。電気やガスの事業者は営業利益率が4~5%の水準ですが、携帯電話事業者は20~25%もの営業利益率です。これはおかしい。コロナ禍で家計が苦しくなる中で、国民の公共の電波を礎に成り立つ事業が国民に負担を強いていいのか。行政的な立場からチェックしなければならないと考え、改革に着手しました。
馬渕 国民が無理だと感じていた、携帯料金の引き下げが実現しそうです。
武田 日本の携帯料金が高いという「実態」を広く国民に知らせることができた点に意味があります。今年6月に発表した総務省の内外価格差調査では、世界6都市の携帯料金の比較で、20ギガバイトのデータ量は東京が8175円で最も高額だったのです。自分が使っている携帯電話の料金プランやメニューが果たして自分の求めているものなのかどうか。国民がそれを検証する機会をつくれたことが大きかったと思います。
馬渕 今の時点で政府としての役割を何割ぐらい果たしていると思いますか。認知度が行き届いたという点では10割近いという感じでしょうか。
武田 携帯料金の課題に対する認知度は大きく高まりましたね。しかし、具体的にまだまだ進めていかなければならない点は数多くあります。
馬渕 ドコモがメインブランドで値下げに動きました。