ドコモの割安プランが招く壮大な「ババ抜きゲーム」、泥をかぶるのは誰か通信料金の大幅値下げは、利益の低下に直結する可能性が高い Photo:Diamond

政府からの通信料金引き下げ要請を受け、最大手のNTTドコモが踏み込んだ料金プランを打ち出した。競合各社の追随はほぼ確実であり、通信料金は大幅に下がる可能性が高くなってきた。だが、通信会社というのは典型的な設備産業であり、簡単にコストは下げられない。料金引き下げは利益の低下に直結する可能性が高く、消えた利益は最終的に誰かが負担しなければならない。(経済評論家 加谷珪一)

ドコモ新プランの衝撃
壮大な“ババ抜きゲーム”が始まる

 NTTドコモは2020年12月3日、新料金プラン「ahamo(アハモ)」を発表した。同社の料金体系はこれまで「ギガホ」と「ギガライト」の2本立てだったが、政府が指摘している通り、従来の料金体系は分かりにくく、本当のところいくらなのかは詳細に調べないと把握できない状況だった。

 各種キャンペーンやセット割を使わず、純粋にプランを利用する場合、ギガホにおける月額料金(定期契約なし)は30ギガバイト(GB)で7150円、ギガライトの料金は1GBで3150円、7GBで6150円だった。通話する場合には、どちらのプランでも30秒当たり20円が課金される。