「2019年までは、現金しか取り扱っていない場所も多くありました。とくに地方のタクシーなどは、現金のみが多かったですね。しかし、2020年に入ってからは全国どこでも、なんらかのキャッシュレス決済が使えるところが増えてきています。多いのは、客がQRコードを読み取る形式のスマホ決済です。導入コストが安いことも理由だと思います」

 そう話すのは、2019年の1年間、「現金を使ったら負け」という生活を送っていた、ビジネス書作家で商品開発コンサルタントの美崎栄一郎氏だ。美崎氏は『キャッシュレス生活、1年やってみた』(祥伝社)という書籍も上梓しており、全国どころか世界各地でキャッシュレス決済を使い倒している。

「元々東京オリンピックで訪日外国人が増えることを見越し、キャッシュレス決済に対応する店を全国的に増やしていました。結局2020年の五輪開催は見送られましたが、今度は新型コロナの感染防止策としてキャッシュレス決済が注目を集めたのです」

 図らずも、コロナの感染対策として硬貨や紙幣を介さない「非接触」の決済方法が歓迎されたわけだ。

「客がキャッシュレスで決済ができるよう、店側もレジ周りの仕様を工夫しています。たとえば、クレジットカードはカードリーダーの向きを変え、客自身で読み込み作業ができるようにするなどです。従業員がカードに触れないので接触機会と、手間も減らすことができます」

飲み会やお年玉の送金も
スマホ決済が使える

 クレジットカードやスマホ決済が利用できるシーンは増え続けており、たとえば年末年始のさまざまなところでも使えるようになっている。まずはスマホ決済の活用例を聞いてみよう。

「定番は飲み会での割り勘ですね。参加者全員が同じアプリを使っていれば、合計金額と参加人数を打ち込むだけで1人当たりの飲食代を個々に請求することができます。スマホ決済であれば、幹事が端数分を支払って損をしたり、集めた小銭で財布の中がパンパンになったりということもなくなるのです」