そして、古賀氏が「思い入れがある」と語る、ロシア。

著者・編集者が振り返る『嫌われる勇気』7年の歩みと海外展開ロシア版『嫌われる勇気』

古賀 青年の言葉が激しい、古くさいと言われるんですが、彼のキャラクターをつくるうえで参考にしたのが、ドストエフスキーの小説に出てくる登場人物たちなんです。何ページにもわたって話しつづけるような、饒舌な激昂家ですね。ですからロシアでも広く読まれていることは、個人的にとてもうれしいです。

 さらに、韓国はじめアジア圏の読者の感想を、今回のフェスに合わせて各国の版元やエージェントの皆さんが集めてくれた。一部をご紹介する。

 

【台湾】
『嫌われる勇気』を読んでふと感じたのは、この本は「心の整理術」だということです。複雑な人間関係を整理するうえでとても役に立つのです。自分と他者は、競い合う「縦の関係」ではなく、前向きで対等な「横の関係」になるべきです。そうすれば競争から生まれる様々な悩みを解決できるのです。

【韓国】
人間関係で悩むたびに再読しているのが『嫌われる勇気』です。私はまだ、この本を超える人間関係についての本を見つけることができません。本書を読むと「私は正しい。君は間違っている」という思考から絶えず自由になれるのです。

【中国】
著者は、生き方は私たち自身が選択できるものであり、私たちの幸福は他者の承認を得ることではないと教えてくれます。読後には心が洗われた気がしました。

 このように、文字どおり世界中から熱く支持されている『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』。新型コロナウイルス感染症が落ち着き、また海外旅行に気軽に行ける世の中になった際は、ぜひ現地の書店を覗き、各国版をチェックしてみてほしい。

『嫌フェス』のアーカイブ動画はこちらから!⇒ https://www.youtube.com/watch?v=GeWx08oBq2o