『嫌われる勇気』の海外反響

『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』は、ともに海外でも広く読まれ、愛されている。『嫌われる勇気』は現在31言語での翻訳刊行が決まっており、世界累計約610万部。『幸せになる勇気』は24言語で同じく約145万部。なんと合計で世界累計755万部を突破しているのだ。

著者・編集者が振り返る『嫌われる勇気』7年の歩みと海外展開世界各国の『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』の表紙

 さらに各国のネット書店や各種SNSでは数多のレビューが集まり、いずれも高い評価を獲得している。たとえば、アメリカのAmazon.comでは『嫌われる勇気』は1800レビュー、評価も4.5点を超えている。

「哲人と青年の対話という本書の形式は素晴らしいアイデアです。青年が私の心の中で渦巻いていた疑問をすべて代弁し、哲人が答えるという設定は見事でした。いったん読み終えたものの、改めて再読し、その内容と意味を完全に吸収したいと思っています。この一年で数多くの本を読みましたが、本書は断然お気に入りの一冊です。一読されることを強くお勧めします」

 など、熱いレビューが際立つ。

 また、Amazon.co.uk(イギリス)はアメリカよりもさらにレビューが多く、1900レビューを超えていることに出演者たちもおどろいていた。「自分はkindle版で読んだが、息子のためにハードカバー版を購入した」といったコメントもあり、読後、「あの人に読んでほしい」と感じるのは日本の読者も海外の読者も同じようだ。

 ドイツでは、『嫌われる勇気』がAmazonのオーディオブック部門で長らく1位をキープしてきた。今回、各国のオンライン書店サイトを見て回った今泉局長曰く、「ドイツのレビューは独特。深くて長い」。たとえば、「真に理解を深めるためには、自らの人生を省みることが必要だろう。そうすれば、本書を読むことはとても良い心理療法の効果を持つことになるはずだ。そして、自らが恵まれていないという被害者意識からあなたを解放してくれるだろう」といった、内省的なレビューが目立った。