上司が話すのは
2割に留める

 今まで部下と改めて時間を取って、1対1で話をする機会がほとんどなかったという場合は、リモートで個別ミーティングを行うことに対して、お互いに心理的ハードルが高くなり、身構えてしまいます。その場で、何を話せばよいのか分からず沈黙する時間が多くなると、場を持たせなければならないと思い、上司が一人で話をしてしまいがちになります。

 その際にありがちなのが、自らの武勇伝を得意げに話してしまうケースです。部下としては、聞きたくもない上司の過去の自慢話に何十分も付き合わされるのでたまったものではありません。そうなると、次の個別ミーティングについて、部下は何かしらの理由を付けて避けようとしてきます。何度も日程変更が続くと結果として自然消滅しかねません。

 個別ミーティングでは、上司が伝えたいことを伝えるよりも、部下の現状を知るため、聴くことに重きをおくようにしてください。時間配分は上司が話をするのが2割、部下から話を聴くのが8割というのが理想です。

 基本的に人は自分の話を聴いてほしいという欲求を持っています。話を聴くことで、そのニーズを満たすことができます。ですが、話を聴いてもらえる機会は案外少ないのです。筆者がセミナーや研修で参加者に対し、「プライベートで話を聴いてもらえる人がいるか」と尋ねると、手を上げるのは半分以下です。

 また、話を聴いてもらえる相手がいたとしても、たとえば、悩みを職場の上司や先輩、親や友人などに相談した際、求めていないのに解決策を言ってきたり、アドバイスを聞かされたり、場合によってはお説教が始まったりするケースが多いのです。

 このように自分の話を聴いてもらえない環境に身をおく中で、職場の上司に話を聴いてもらえるとなれば、上司に好感を抱き、自分の理解者だと感じ、信頼を寄せるようにもなります。マネジメントを行ううえで信頼関係の構築は欠かせません。ですので、上司は個別ミーティングで部下の話を聴く役割に徹することが大切なのです。